不眠症

何度も目が覚める不眠症

何度も目が覚める不眠症「何度も目が覚めて熟睡できない」「起きる予定の時間より、早く起きてしまう」など、睡眠に関する問題が1ヶ月以上続いている状態を「不眠症」といいます。不眠症は国民病とも呼ばれており、日本人の5人に1人が睡眠に関する悩みや問題を抱えていると報告されています。男性より女性に多いと言われ、加齢と共に不眠症の患者数が増える傾向もあります。

不眠症はストレスが原因!?

不眠症はストレスが原因で発症します。そのストレスのもとになる要素は、環境的要因や生活習慣、身体的疾患、精神的ストレス・疾患など、多岐にわたります。不眠症の治療は、ストレスが発生している原因を特定し、その原因を解消する治療法も同時に行うことが重要です。

環境要因

  • 進学、就職、転勤などライフスタイルの変化
  • 季節の変化
  • 寝室の温度や湿度
  • 騒音、光

など

生活習慣要因

  • 就寝前のパソコン・スマホの使用
  • カフェインの過剰摂取、寝酒、就寝前の喫煙
  • 薬の副作用
  • 不規則な勤務形態

など

身体要因

  • 皮膚疾患(アトピー性皮膚炎・アレルギー反応によるかゆみ)
  • 更年期障害
  • 夜間頻尿
  • むずむず脚症候群
  • 睡眠時無呼吸症候群

など

心理的要因

  • 不安やイライラ
  • うつ病などの精神疾患

など

夜中に目が覚める・寝つけない不眠症の症状

夜中に目が覚める・寝つけない不眠症の症状

  • 布団に入ってから熟睡するまで30分以上かかる
  • 熟睡しても睡眠途中で目を覚ましてしまい、その後はなかなか眠れない
  • 起きる予定の時間より、2時間以上早く目が覚めてしまう
  • 長く寝たけど熟睡できた感じがしない
  • 昼間、強い睡魔に襲われる

不眠症にも種類がある

不眠症には「入眠障害」と「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」の四種類があります。

入眠障害 布団に入ってから熟睡できるまで30分以上かかるタイプです。しかし、一度熟睡できれば朝までぐっすり眠れます。寝る時に悩みや心配事を考えてしまう方に多く、不眠症患者の中で最も多くみられるタイプです。
中途覚醒 熟睡している途中に目が覚めてしまい、一度起きるとなかなか眠れなくなるタイプです。寝つきは悪くない傾向にあります。
早朝覚醒 入眠に問題はないものの、起きる予定の時間より二時間以上早く起きてしまうタイプです。高齢者やうつ病患者に多く見られ、一度起きるとなかなか眠れません。
熟眠障害 長時間の睡眠を取っても熟睡ができず、熟睡感を感じないタイプです。昼間になると強い睡魔に襲われやすくなり、日常生活に大きな支障をきたします。

不眠症の治療

不眠症はライフスタイルの変化や不規則な生活、睡眠前の行動などが原因で発症する傾向があるので、生活習慣の改善も薬物治療と並行して行うことで、根治することが可能です。また、うつ病などの他疾患が原因で不眠症を発症している場合、かつ専門的な医療機関での治療が必要だと判断した際、提携先の医療専門機関へご紹介します。
最終的には睡眠薬・睡眠導入剤を服用せずに熟睡できるようになるまで、サポートしていきます。

まずは日頃の生活習慣を改善しましょう

寝室の温度・湿度を適切にして、心地よく眠れる環境にしましょう。食事は寝る四時間以上前に済ませて、お風呂は寝る一時間前までに済ませ、身体をリラックスさせてください。また、睡眠前に軽めのストレッチ・マッサージを行うのも効果的です。寝る一時間前にはスマホ・パソコンなどの使用をやめるのも大事です。
そして起床後に朝日を浴びる習慣をつけて、体内時計を正常に戻しましょう。

薬物治療~漢方薬の処方も~

薬物治療~漢方薬の処方も~

症状や不眠症のタイプに合わせて、睡眠薬・睡眠導入剤を処方します。うつ病などでお悩みの方には、抗うつ剤や抗不安剤などの処方を行い、不眠症と並行してうつ病の改善も行います。
睡眠薬はお酒と一緒に摂取すると効果が必要以上に強く出る危険性があります。呼吸抑制などが起こる場合もあるため、お酒と一緒に飲むのは絶対にやめましょう。
ご自身の判断で断薬してしまうと、不眠が悪化する「反復性不眠」を発症するリスクが上昇するので、医師の判断に従って服用してください。減薬・断薬の判断は医師と一緒に行い、慎重に行うことが重要です。

また、当院は漢方薬の処方にも対応しております(保険適用内)。
近年、西洋薬系の睡眠薬には、依存性の高さと「持ち越し効果(睡眠薬の効果が翌日まで残ってしまい、日中に強い眠気や判断力低下が起きる現象)」という問題があると指摘されています。
副作用や依存性が不安な方には、漢方薬をお勧めしております。漢方処方をご希望の方はお気軽にご相談ください。

鍼治療に対応しております

鍼治療に対応しております院では漢方薬の処方だけではなく、鍼治療も行っています。ご希望の方はお気軽にご相談ください。

不眠症Q&A

寝る前にお酒を飲んだりたばこを吸ったりしても、睡眠に影響はありませんか?

就寝前の飲酒・喫煙は控えてください。
寝る前にアルコールを摂取すると一時的に入眠できますが、中途覚醒を起こしやすくなります。ニコチンには覚醒作用があるので、寝る前に喫煙をすると睡眠の質が低下します。

不眠症になると日常生活上、どのような症状があらわれますか?

適切な睡眠がとれていないことで、「日中の強い眠気」「めまい・立ちくらみ」「判断力・意欲の低下」「倦怠感・疲れやすさ」「イライラ・焦燥感」などの症状があらわれます。

睡眠不足と不眠症はどう違うのですか?

睡眠不足とは、「睡眠に問題は起きていないが、何らかの事情で必要な睡眠時間が得られなかった状態」を指します。対して、不眠症の場合は、「環境や身体的疾患、精神的ストレスなどの影響で、眠りたくても眠れない状態が一カ月以上続いている状態」をいいます。

理想の睡眠時間は何時間ですか?

理想の睡眠時間は個人によって異なります。日本人の平均睡眠時間は6~8時間と報告されていますが、中にはそれよりも短い睡眠時間、また、それよりも長い睡眠時間が適切な方もいます。

睡眠薬の依存症になってしまうか心配です。なるべく依存性の低い薬を処方してほしいのですが、可能でしょうか?

可能です。西洋薬の睡眠薬に抵抗のある方には、漢方薬の処方を行います。
また、西洋薬の量を減らしながら漢方薬の併用処方を行うことも可能です。お気軽にご相談ください。

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